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2016年9月11日日曜日

神を見た犬(ブッツァーティ)

「これからは読者なんて減るだけだろうよ。どんどん減ってゆく!」スキアッシはひどい言葉を吐き続けた。「やれ文学だ、芸術だと、大仰な言葉ばかり並べやがって! だがな、きょうび芸術なんてもんは、消費の一形態にすぎない。ビーフステーキや香水や藁包みボトル入りのワインとまったく同じなのさ。世間の人々が、どんな芸術に興味を持っていると思うかい? すべてを呑み込みつつある風潮を見るがいい。じつのところ、中身はなんだと思う? 民謡に歌謡曲、流行の作詞家に作曲家……どれも月並みな商品ばかりだ。しょせん栄誉なんて、そんなもんさ! きみの書くものはすばらしい。知的で非凡な小説ばかりだ。それでも、歌の下手なアイドル歌手のはしくれにだってかないやしない。人々は実質的なものを求めているんだ。手軽でわかりやすく、即効的な快楽を与えてくれるものを。苦労する必要も、頭を使う必要もないものだ!」

マジシャン

2016年9月7日水曜日

死徴

http://adachishingo.net/index.html#shichou

――弟が死んだ。

最後の肉親を亡くしたわたし。
孤独死した弟の遺体を引き取るため、彼の部屋へ向かう。
若くして突然死した弟。
警察は現場になんら不審な点を認めなかったが、弟は奇妙な状態で倒れていた。
本を抱えて死んでいたのだ。それも、まるで読みそうにない本を。
ページとページの間からはレシートがあらわれ、暗号の存在を予感させる。
やがて解読された暗号は……

ミステリアスな短編小説。