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2016年4月24日日曜日

さがしもの名人のなくしたもの

http://adachishingo.net/index.html#sagashimono

灰色の帝都。
まったく同じビル群に、交錯するアスファルト。
電車にゆられての長時間の通勤。
人々は12桁の番号で呼ばれ、うつむきがちに生活している。

貧民街の集合住宅には臣民番号985034196520の名で呼ばれる男が住んでいる。
さがしもの名人である。

――迷子の子猫を見つけるくらい朝飯前だし、うっかり落としたコンタクトレンズだってお手のものである。小さなさがしものばかりではない。生き別れた家族、どうしても思いだせない単語、老人が若かったころになくした大切ななにか(それがなにかさえ忘れてしまっている)、なんでもござれだ――

ある日、彼のもとに宮廷からの密使がおとずれ……

ファンタジックな短編小説。

2016年4月14日木曜日

保証会社と賃貸価格表示の問題

たまには、私事を…

賃貸。
保証会社はおかしい。
以下、その理由。

1. 生殺与奪の権をにぎっている

たとえば、独居老人はいつ亡くなるかわからない。
遺品の始末とか金がかかって面倒だ、審査落とそう。
利益に汲々とするあまり公務員のような人しか通さないといううわさの業者も。
こうして生活の基盤がいち営利業者によって否定されうる。
住む場所がなくなってしまう事情は失業者・貧乏人なども同じ。
「生きる資格」を審査しているのと大差ない。

2. 保証サービスの受益者は管理会社・大家であるにもかかわらず入居者が支払わされる

お金を払っても入居者にはたいしていいことがない。
むしろ、法で規制されていないので、サラ金の取り立て以上のことができる。
この理不尽の改善案。
a. 保険のように、失業したときに補填してくれるサービスにする
b. 滞納などが起こらなかったときに、かけておいたぶん戻ってくるようにする
c. 保証サービスの受益者である管理会社もしくは大家が支払う

保証会社に限らず、日本は住のルールがおかしい。

***

価格表示のおかしさ。

例:
家賃50,000(共益費込み) + 保証会社50,000(2年) + 保険20,000(2年) + クリーニング30,000

が必須の内訳にするなら、

家賃54,000(50,000 * 24 + 50,000 + 20,000 + 30,000 / 24)

と表示しなければおかしい。
理由。
ほかの物件と比較できないうえ、実質いくらかユーザーが把握できないから。
総額の内側で、業者間でどういうお金の動きがあるのかは業者の問題だし業者の決めること。
どの業者を使うか、ユーザーに選択権がないのならなおさら。
一見安く見せかける詐欺に近い。

***

最後に、いくつかまともなサービスの紹介。

めぐみ企画(北海道)

余計な初期費用がかからない。審査がない。家具つき。すばらしすぎる。

ウチコミ!(関東)

大家さんと直接話せるサイト。仲介手数料もなし。
条件がいいかどうかは大家さんによる。

いつかまともな賃貸営業がスタンダードになる日ってくるのだろうか。

2016年4月1日金曜日

スターシーカーズ(ウィルソン)

われわれが本当に欲しているのは、宇宙のはてはどこにあるのか? 時間はいつはじまったのか? こうした問いに対するなんらかの手がかりである。だが、ビッグ・バン理論はそれに答えてはくれない。この意味で、ビッグ・バン理論は、宇宙は象の背に支えられ、象は牛の背に支えられ、牛は豚の背に支えられ……という古代ヒンドゥー教の信仰と少しも変わらない。
ここではっきりと認識しておかねばならないことは、科学それ自体はこうした問いになにも答えられないということである。
(中略)
科学が問題を探求する唯一の道でないことは、常識でわかる。聖アウグスティヌスはいっている。「時間とはなにか? 面と向かってそう問われなければ、わたしには答えがわかっている」頭で考えてもそれはわからない。直観でわかるものだ。同じことは、生命という概念にもあてはまる。
(中略)
理解するということは、すべて、このように自己の内面へ下降していくことに依存している。
(中略)
そしてまた、自己の内面に下降するこの能力こそ、進化の主要な目的のひとつであることも明らかである。
(中略)
カントは、空間と時間が、じつは外部には存在せず、赤や紫のように、われわれの心がそれらを生みだしたのだ、と大胆な仮説をたてた。もし、これが正しければ、われわれはなぜ空間のはてや時間の起点を把握できないかが、おのずと明瞭になるだろう。というのは、答えはわれわれの心の内部にあることになるからである。空間や時間を理解するには、心の深層へと下降していく以外に方法はないだろう。
(中略)
わたしがいわんとしているのは、宇宙を見あげ、「それはどこで終わるのか? すべてはなにを意味するのか?」と問うとき、その疑問は思ったほど単純ではない、ということなのである。その疑問には、わたしとは何者かという前提が含まれているからだ。

スターシーカーズ(ウィルソン)