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2015年11月6日金曜日

全アフォリズム集(ホッファー)

自然の非情さは、われわれを驚愕させる。自然が目的遂行の際に見せる巧妙さと精緻さを目の当たりにしたときは、なおさらである。たとえどれほど時間がかかろうとも、いかなる犠牲を払おうとも、偶然の力は最も明晰な精神のみがつくりうるものを完成させる。われわれにはその力は到底信じがたいものに思われる。まったくの偶然が目的を成し遂げるメカニズムを信じるよりも、神の存在を信じるほうが容易である。

教育の主要な役割は、学習意欲と学習能力を身につけさせることにある。学んだ人間ではなく、学び続ける人間を育てることにあるのだ。真に人間的な社会とは、学習する社会である。そこでは、祖父母も父母も、子供たちもみな学生である。
激烈な変化の時代において未来の後継者となりうるのは、学び続ける人間である。学ぶことをやめた人間には、過去の世界に生きる術しか残されていない。

言葉は、これまでいかなる悪魔の手先にもまして人間の魂を荒廃させてきた。人間の特異性の主要素である言葉が、非人間化の主要な道具でもあるというのは奇妙である。魔術の領域は不可視の領域であると同時に、言葉の世界でもあるのだ。

ビジネスにかかわるものはすべて腐敗するというのは、おそらく真理であろう。ビジネスは、政治もスポーツも文学も労働組合も腐敗させる。(後略)

からっぽの頭は、実際はからではない。ゴミでいっぱいになっているのだ。からっぽの頭になにかをつめこむのが難しいのは、このためである。

ものごとに精通すると、感性が衰え、活力が萎えるものである。それゆえ、芸術家も思索者も、ありふれたものの誕生と、知られているものの発見に没頭する。彼らはともに、ものごとの初期段階をもう一度とらえなおすことによって、生命を保持しているのである。


全アフォリズム集(ホッファー)