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2013年4月14日日曜日

ふつう

 ジャズダンスというのがある。ここのところ夢中になっていて、いつものごとく女性陣に対して男性はぼくひとりだけなのだが、あまり気にならなくなってきていた。そんなことを気にしていたらなにもできないだろう。とはいえ、目立たないように後ろのすみの方に控えている。これもいつものことだ。
 その日の練習というのが、流している同じ曲に対して、同時に踊りはじめ、Aというパートを踊る人と、Bというパートを踊る人とに別れる、というものだった。それぞれのパートが終わった人は、それぞれパートを入れ替えてさらに踊る。つまり、周囲に見えている人たちと違う動きをしなくてはならない。他の人の動きに惑わされてはいけないのだ。人真似で動くのではなく、自分で把握した、自分の動きを、というのがこの練習の眼目なのだろう。
 振りそのものは、以前にやったものを二種類組み合わせただけのものだったが、最近は物覚えが悪く、しかもすぐに忘れてしまう。必死にやっていて、二回、それなりにはできたように思う。
 ところが、あろうことか、先生に名指しで褒められた。別に、ぼくがうまいわけではない。それは確かだ。ぼくが一番初心者でへたなものだから、励ましてやろうと思ったのかもしれない。とにかく、このあたりから崩れはじめた。集中力が切れた、と言えば聞こえはいいかもしれない。
 踊る。踊る。人の姿が目に入る。一瞬で三人くらい視認することができる。あれ、ぼくと同じパートを踊っている人が一人もいない。三人のうち一人くらいは同じパートのはずなのに。この認識に至るまでほんの一瞬だ。そして途端にだめになる。振りが飛んでしまう。
 あとあと、考える。原因はすぐにわかる。簡単なことだ。「人と同じでないとだめだ」と思うのだ、「人と違っていてはだめだ」と。
 それは意識ではなく、無意識の奥の奥、底の底にこびりついていて、瞬間、本能のようにぶわっとあふれ出る。
 人と違っているのは恥ずかしいことで、人と同じでなくては。
 ふつう。
 この強迫観念が、血によるものなのか、環境によるものなのか、あるいは、もっと民族的なものなのか、わからない。ただ、こういった感覚を抱くのは別にぼくが特殊だからではなくて、むしろ非常に日本人的なのではないだろうか。
 これは呪いのようだ。この強迫観念のせいで、いままでいったいどれほど悩み苦しんだことか。
 とはいえ、よくよく考えてみるまでもなく、ぼくは奇妙な生き方をしているし、平日の昼間からふらふらと女性に混ざって踊ったり、いまさらだ。変でいいじゃないか。人と同じなんてつまらない。気にするなよ。これらはみんな意識で思うことで、ほとんどねじ伏せるように、言い聞かせていることだ。反面、普通がいい、人並みに生きて、人並みに死にたい、そんな風に思っているのが本音ですらあるのだ。
 ダンスで失敗をして、ぼくだけ動きが止まる。ああ、と辺りを見回す。あ、よかった、他にも止まっている人がいる。ぼくだけじゃない。そうしてとどめを刺すように、
「このままじゃ帰って眠れないだろうから、足立くんのために、もう一回だけやりましょう」
 もちろんうまくいくわけがない。
 いろいろと考えられる。脳の脆弱性、ストレス耐性の低さ、どれも当てはまると思う。それ以前に、動揺するのだ。精神的に弱いのだ。
 すべて終わって、悔しくて悔しくて仕方がない。失敗も失敗だが、恥も恥だが、なんという繊弱さだろう。なんという脆さ。
 そうして、道すがら振りを復習したりしつつも、考え続ける。考えて考えて、自責して自責して、しかし、いまではむしろよかったとすら思うのだ。失敗してよかった。失敗しなければ、この洞察はなかった。その上、作品として昇華することができる。文学は自己凝視だ。内向する力だ。自分自身のなかに飛び込んで、暗黒のなか、どこまで深く潜っていけるのか。こういうことでもなければ作品は生まれない。この機を逃すようではもはや終わりである。


 失敗体験を引きずって、凝視して、書くのはつらいものだ。逃げたい、苦しい苦しいと思いながらそれでも書いた。作家生命がかかっていると思った。
 とはいえ、失敗と悔恨からしか洞察は得られないのだとしたら

 失敗と悔恨からしか作品は生まれないのだとしたら
 人生は失敗するためにあるのだとしたら

2013年4月8日月曜日

Aoharu Youth / Supercar


No reason why is no reason why is reason of youth
Just like search lights

To
Further away

***

むちゃくちゃな訳詞です。
が、もともとの日本語もむちゃくちゃです。
言葉の響きだけを重視して、意味を無視すると、こうなるんだね。
音楽性の低い日本語において、こういうあり方は本当にありだと思う。

Sorry about this broken translation but Japanese original lyric is also broken. :)